★第11回鎌倉同人会講座「新しい自然保護の形を求めて
-鎌倉の辺境:紅葉の山崎の谷戸を歩く」の報告
日時:平成三十年十二月一日(土) 午後1時30分~3時30分
場所:鎌倉中央公園:山崎の谷戸
第11回鎌倉同人会講座「新しい自然保護の形を求めて-鎌倉の辺境:紅葉の山崎の谷戸を歩く」が、平成三十年十二月
一日(土)に鎌倉中央公園で行われました。
鎌倉中央公園は鎌倉市のほぼ中央に位置した面積23.7ヘクタールの風致
公園で、谷戸と呼ばれる地形を利用し、自然とのふれあいや農作業体験などができるゾーンと2つの修景池の周りに庭園
植物園などを配した都市緑化植物園としてのゾーンに分かれています。
鎌倉同人会の「鎌倉再発見講座」としてはめずらしくフィールドでの講演で、川の水がきれいになり、ホタルや自然の ウナギが増えるなど人の生活と共にあり、鎌倉の辺境の自然が残る「鎌倉中央公園」でその魅力を学びました。
講師はNPO法人山崎・谷戸の会理事の久保廣晃さんで、久保さんはこの鎌倉の地で、谷戸や里山の保全活動、自然保護に 幅広く係わり、動植物にも詳しく、市内各地で活動をされているだけでなく、日本自然保護協会自然観察指導員や日本野鳥
の会神奈川支部役員等も務めています。また、講座サポーターとして、鎌倉同人会会員の小林淳さんがアシストしてくれま した。 当日は、遅れがちだった紅葉への期待??もあって、定員の30名を超える36名の参加をいただき、10月の颱風によ る塩害にめげず健気にも紅葉する雑木林に包まれた谷戸を久保さんらのお話を聞きながら、ゆっくりと散策しました。
散策の順序とその内容は、次の通りです。 1
ししいし周辺
1)休耕田跡地の保全
2)疑似田んぼとしての効果 2
昔ながらの畑 1)市民農園との違い
2)土手の保全
3)野草の保護増殖と野草
3
炭焼窯跡 1)
手入れをした雑木林の材木を有効利用するため築造
2) 2001年10月に着工し、2002年2月に完成
3) 間伐した材木を用いて、2006年1月まで11回実施👉約1トンの炭を作り、防災用に備蓄
4
小段谷戸と田
1)谷戸地形とは
2)子どもたちの体験学習
3)ゲンジボタルの棲む水路
4)田んぼ周辺の植生保護
5
野外体験広場 1)採集禁止の看板をなぜ立てないか?
2)草の刈り残しとバッタ
3)こども用の水路と保護用の水路
6昔ながらの田 1)昔ながら景観を守る
2)冬も水が抜けない田んぼと生物
3)畔の保全と生物
4)田んぼの目隠しと周辺部の大切さ
7 東谷沖 1)休耕田跡地の湿地植物とカヤネヅミ
2)ヘイケボタルの生息地
3)畔跡地の管理 久保さんは散策を通して、『新しい自然保護の形』として、「里山の保全が重視される時代へ」、「手が無いと守れない のが里山」、「都市型の里山の誕生」、「教育や自然保護の里山へ」、「人間がどう関わるかを模索する自然保護へ」と 話し、『都市型の里山』で自然を守るためには、「公園で生態系保全」、「子育て、農作業と自然保護が一つになる」、
「田畑を続けながら周辺の自然環境に配慮する」ことが大切であると語ってくれました。 最後に、参加者一同、田んぼの前で記念撮影して講演は終了しました。参加者からは、「人の生活と共にある鎌倉の辺境
の自然の魅力を学ぶ貴重な機会を得ました」という感想をいただきました。
ガイドの久保廣晃さん
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