秋の長雨に煙る高徳院の客殿において、鎌倉市教育委員会の後援と「かまくら学府」の協力により、58名の参加者を得て開催されました。講師は、小泉八雲の研究家としても名高く著作も多い、早稲田大学名誉教授の池田雅之氏にお願いしました。
夏目漱石と小泉八雲という二人の作家に焦点を当て、鎌倉での足跡を辿りながら、作家としての成長にどのような影響を与えたかを語っていただきました。漱石の円覚寺での座禅体験や八雲の円覚寺から仏像・地蔵尊を巡る拝顔の旅を通して、二人は幼児期の恵まれない家庭環境から受けた精神的な重圧から解放され、祈りと再生を求める旅となったのではないかと温かい語り口で紹介されました。
参加者は、客殿から眺める日本庭園の素晴らしさに感嘆するとともに、作家の鋭敏な感性や著作を通して、鎌倉を再発見する旅に誘われた感覚を持たれたのではないでしょうか。。
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